願望実現のための五感ノート|未来を頭ではなく身体で感じる

少し、目を閉じてみてください。
理想の未来、あなたが叶えたいと思っている、その場面を、思い浮かべてみます。
そこで、こう自分に聞いてみてください。
「その場所には、何が見えていますか」
たぶん、すぐには、はっきりと答えられないかもしれません。多くの人が、未来を思い描くとき、「お金に困らない暮らし」「理想の関係」というような、言葉のラベルだけを思い浮かべて、その先の、具体的な景色までは、想像していないからです。
未来は、言葉だけで描くと、どこかぼんやりとした、輪郭のないものになってしまいます。けれど、そこに、見える景色、聞こえる音、香り、肌の感覚を、一つずつ加えていくと、その未来は、急に、現実味のあるものへと変わっていきます。
未来は、言葉だけだとぼんやりしやすい
「自由な暮らしがしたい」
この言葉だけを思い浮かべて、それを目標として掲げている人は、たくさんいます。けれど、「自由な暮らし」という言葉は、人によって、まったく違う具体的な景色を指している可能性があります。
ある人にとっての自由な暮らしは、毎朝、好きな時間に起きて、静かな部屋で過ごす時間かもしれません。別の人にとっては、いろいろな国を旅しながら、毎日違う景色を見ることかもしれません。
言葉だけで願いを持っていると、自分自身も、本当はどんな景色を望んでいるのか、はっきりとはわからないまま、ただ「自由」という抽象的なラベルだけを、追いかけることになってしまいます。
ここで役立つのが、五感を使って、その未来を、より具体的に描いていく方法です。
見えるもの・聞こえる音・香りを描いてみる
理想の未来の場面を、もう一度、思い浮かべてみてください。
今度は、こんな問いを、一つずつ、自分に向けてみます。
「その場所で、目に見えているものは、何ですか。色は、どんな色をしていますか」
「その場所では、どんな音が聞こえていますか。静かですか、それとも、何か音楽や、人の声が聞こえていますか」
「その場所には、どんな香りがありますか」
すぐに、すべてに答えられなくても大丈夫です。一つずつ、ゆっくりと想像してみてください。最初は、ぼんやりとしか見えなかった未来の景色が、少しずつ、輪郭を持ち始めることがあります。
理想の未来で、体はどう感じているか
視覚や聴覚、嗅覚に加えて、もう一つ、大切な感覚があります。それは、体感覚です。
「その場所にいるとき、あなたの体は、どんな状態でしょうか」
肩の力が抜けて、リラックスしているでしょうか。それとも、心地よい緊張感とともに、何かに取り組んでいるでしょうか。
「呼吸は、どんな感じですか。深く、ゆっくりとした呼吸でしょうか」
体感覚は、視覚や聴覚よりも、見過ごされやすい感覚です。けれど、未来の自分の体の状態を想像することは、その未来が、自分にとって、本当に心地よいものなのかどうかを、確かめる手がかりにもなります。
想像してみたときに、体が緊張するような感覚があれば、それは、もしかすると、本当に望んでいる未来とは、少し違う形なのかもしれません。逆に、想像するだけで、自然と肩の力が抜けるような感覚があれば、それは、本音に近い未来である可能性が高いです。
五感を使うと行動が選びやすくなる
五感を使って未来を描くことには、もう一つの利点があります。それは、今日できる行動が、選びやすくなることです。
「自由な暮らし」という言葉だけでは、今日、何をすればいいのか、具体的には見えてきません。けれど、「静かな部屋で、好きな音楽を流しながら、ゆっくりとコーヒーを飲んでいる」という景色まで描けたなら、今日、その景色に少しでも近づくための行動が、見えやすくなります。
たとえば、今日、好きな音楽を流しながら、コーヒーを飲む時間を、十分だけ作ってみる。お気に入りのカップを、一つ買ってみる。こうした小さな行動が、抽象的な願いを、具体的な日常へと、つなげていく橋渡しになります。
五感で書く未来ノートの例
最後に、五感を使った未来ノートの、書き方の例をご紹介します。
まず、理想の未来の、ある一場面を、一つだけ選びます。
その場面について、次の五つの項目を、それぞれ一行ずつ書いてみてください。
「見えるもの」、「聞こえる音」、「香り」、「体の感覚」、「心に浮かぶ気持ち」。
すべてに、すぐに具体的な言葉が出てこなくても大丈夫です。出てきた範囲で、十分です。
書き終えたら、その中で、いちばん心に残った感覚を一つ選び、「今日、この感覚に、少しでも近づける行動は何だろうか」と、考えてみてください。
未来を、言葉だけのラベルから、五感のある、生きた景色へと描き直していく。この作業を続けていくことで、願いは、頭の中の抽象的な目標から、日々の暮らしの中で、少しずつ手触りのあるものへと、近づいていきます。





