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一冊のノートを使い切れない人へ|途中から始める願望実現ノート

一冊のノートを使い切れない人へ|途中から始める願望実現ノート

引っ越しのとき、本棚の奥から、三冊のノートが出てきた。

ある女性は、どれも、最初の十ページくらいだけ書かれていて、その後は、白紙のままだったと話していました。

一冊目は、新しい年が始まった日に、意気込んで買ったノート。二冊目は、何かのセミナーに参加した後、刺激を受けて買ったノート。三冊目は、友人に勧められて、試しに始めたノート。

どれも、最初の数日、あるいは数週間は、熱心に書いていました。けれど、ある時点で、なぜか書くことが止まり、そのまま、本棚の奥に、しまわれてしまったのです。

彼女は、その三冊を見つけたとき、少し気まずい気持ちになったと言います。「また、新しいノートを買って、また同じように、途中でやめてしまうんじゃないか」。そんな不安が、頭をよぎりました。

でも、本当に問題なのは、「途中でやめてしまったこと」そのものではありませんでした。

白紙のページが残っていても失敗ではない

ノートを最後まで使い切れなかったことを、「失敗」や「自分の意志の弱さ」として、捉えてしまう人は、少なくありません。

けれど、ノートというものは、必ず最後のページまで使い切らなければならない、というルールはありません。

先ほどの女性の三冊のノートも、最初の十ページには、確かに、その時々の彼女の願いや気づきが、書かれていました。それは、白紙のページが残っていることとは関係なく、すでに、意味のある記録です。

使い切れなかった、という事実だけを見て、その前にあった、十ページ分の取り組みそのものを、「無駄だった」と判断してしまうのは、少し、もったいないことです。

途中で止まったノートにも意味がある

なぜ、ノートが、途中で止まってしまうのでしょうか。多くの場合、それは、「やる気がなくなったから」というよりも、もっとシンプルな理由があります。

たとえば、忙しい時期が続いて、書く時間が取れなくなった。あるいは、最初に決めた書き方が、自分にとって、少し負担が大きすぎた。あるいは、書くこと自体は続けたいけれど、ノートを開くタイミングを、生活の中に、うまく組み込めていなかった。

これらは、どれも、意志の弱さとは、あまり関係のない理由です。先ほどの女性の場合も、振り返ってみると、三冊それぞれ、止まった時期に、仕事が忙しくなったり、生活のリズムが変わったりしていたことに気づきました。

止まったノートは、「失敗の証拠」ではなく、「その時々の生活の変化を、そのまま記録している証拠」とも言えます。

新しいノートを買う前に、今あるページを使う

ここで、一つ、提案したいことがあります。新しいノートを買って、また最初から始めるのではなく、今、途中で止まっている、そのノートを、そのまま使ってみる、という方法です。

先ほどの女性も、最初は、「新しいノートを買って、心新たに始めよう」と思っていました。けれど、ふと、「今あるノートの、続きのページから、また書いてみたらどうだろう」と考えてみました。

新しいノートを買うことには、たしかに、気持ちが新しくなる効果があります。ただ、その一方で、「また新しく始めて、また途中でやめてしまうかもしれない」という不安も、一緒についてきます。

今ある、途中まで使ったノートの続きから始めることには、別の意味があります。それは、「途中で止まっても、また戻ってくればいい」という感覚を、自分の中に、実際の体験として、作っていくことです。

再開ページに書く一文

途中で止まっていたノートを、また開くとき、いきなり、止まる前と同じように書き始めようとすると、少し、心理的なハードルを感じることがあります。

そこで、再開する最初のページに、こんな一文を書いてみることをおすすめします。

「ここから、また始めます。途中で止まっていたことは、何も問題ありません」

このひと言を、まず書いてから、続きを始めてみる。これによって、止まっていた期間を、否定することなく、また自然に、ノートとの関係を、続けていくことができます。

使い切れない人のためのゆるいノートルール

最後に、ノートを使い切れないことに、悩みを感じている人のために、いくつかの、ゆるいルールをご紹介します。

一つ目は、「毎日書かなくていい」というルールです。書ける日に書き、書けない日は、何も書かなくて大丈夫です。

二つ目は、「決まった形式にこだわらなくていい」というルールです。最初に決めた書き方が、続けるうちに合わないと感じたら、自由に変えてかまいません。

三つ目は、「止まったら、また戻ってくればいい」というルールです。一ヶ月止まっても、一年止まっても、戻ってきた時点から、また始めればいいのです。

ノートは、最後まで完璧に使い切ることが目的ではありません。その時々の自分の願いや気持ちを、必要なときに、書き留めておける場所として、緩やかに、長く付き合っていくものです。完璧に使い切れなくても、それは、何の失敗にもなりません。

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