サブリミナルの効果は本当?研究でわかっていることと音源の上手な使い方

「サブリミナル音源を聞くだけで、潜在意識が書き換わる」
「寝ている間に聞き流すだけで、願いが叶う」
そんな言葉を目にして、サブリミナルに興味を持った人も多いと思います。一方で、「本当に効果があるの?」「怪しくない?」と感じている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、サブリミナル効果について、研究でわかっていることを正直にお伝えします。そのうえで、サブリミナル音源を上手に使うための方法を紹介します。効果の実際を知っておくと、期待しすぎず、疑いすぎず、自分に合った形でサブリミナルを活かせるようになります。
サブリミナル効果とは
意識にのぼらない刺激が、心や行動に影響すること
サブリミナルとは、「意識の閾(しきい)の下」という意味です。サブリミナル効果とは、本人が気づかないほど短い時間や、小さな音量で示された刺激が、その人の心や行動に影響を与えることを指します。
映像のサブリミナルと、音声のサブリミナル
サブリミナルには、大きく分けて映像と音声の二種類があります。
映像のサブリミナルは、一瞬だけ画像や文字を見せる方法です。音声のサブリミナルは、音楽の中に、聞き取れないほど小さな声や、加工した声でメッセージを入れる方法です。自己啓発やスピリチュアルの分野で使われるのは、主に音声のサブリミナルです。
有名な「ポップコーン実験」の真相
実は、作り話だった
サブリミナル効果を世に知らしめたのは、1957年にアメリカの広告業者ジェームズ・ヴィカリーが発表した実験でした。映画の上映中に「ポップコーンを食べろ」「コカ・コーラを飲め」というメッセージを一瞬だけ映したところ、売り上げが大きく伸びた、というものです。
ところが、後にヴィカリー自身が、この実験のデータは作り話だったと認めました。サブリミナル効果を語るときに今でもよく持ち出される話ですが、実際には根拠のないものだったのです。
それでも、研究は続いた
この一件のあと、サブリミナル効果は怪しいものと見られるようになりました。それでも、研究者たちは慎重な方法で研究を続け、意識にのぼらない刺激が、一定の条件のもとで、人の判断や選択に影響を与えうることを確かめていきました。
研究でわかっていること
「欲しい気持ち」があるときに働きやすい
オランダの心理学者ヨハン・カレマンスらは、2006年に発表した研究で、参加者に気づかないほど一瞬だけ、ある飲み物のブランド名を見せました。すると、喉が渇いていた人だけが、その飲み物を選ぶ傾向が強くなりました。喉が渇いていなかった人には、ほとんど変化がありませんでした。
この研究からわかるのは、サブリミナルの刺激は、それ単体で人を動かすというより、もともとある気持ちの向きを後押しする形で働きやすい、ということです。
自己啓発用の音源については、結果がまちまち
自己啓発用のサブリミナル音源そのものの効果については、研究の結果はまちまちです。
アメリカの心理学者アンソニー・グリーンワルドらは、1991年に、記憶力や自己評価を高めるとうたうサブリミナル音源を使った研究を行いました。音源のラベルをわざと入れ替えて渡したところ、参加者は、中身にかかわらず、ラベルに書かれた効果を感じたと答える傾向がありました。一方、実際のテストの成績には、音源の中身による違いは見られませんでした。
この研究は、サブリミナル音源の効果には、聞く人の期待が大きく関わっていることを示しています。
期待と習慣を、味方にする
ここから言えるのは、サブリミナル音源は、聞く人の意図や期待、そして毎日の習慣と組み合わさったときに、力を発揮しやすいということです。
期待の力には、確かな手応えがあります。「この音源を聞くと前向きになれる」と感じながら毎日聞く習慣ができると、音源を流すこと自体が、心を切り替えるスイッチになっていきます。
サブリミナル音源の主な手法
サイレント型
人の耳では聞き取りにくい、高い周波数の音にメッセージを乗せる方法です。音としてはほとんど聞こえないので、他の音楽と一緒に流したり、作業中に流したりしやすいのが特徴です。
マスキング型
音楽や自然音などの下に、小さな音量でメッセージを重ねる方法です。音楽に包まれてメッセージがはっきりとは聞き取れない状態にすることで、意識を通さずに言葉に触れることを狙います。
超速再生型
メッセージを何倍もの速さで再生して、短い時間に多くのくり返しを詰め込む方法です。言葉としては聞き取れないほどの速さになります。
組み合わせ型
これらの手法を組み合わせた音源もあります。Orionovaのサブリミナル音源は、サイレント、マスキング、超速再生の三つの手法を組み合わせて作っています。
サブリミナル音源の上手な使い方
聞く前に、願いを一つ思い出す
カレマンスらの研究が示したように、サブリミナルの刺激は、もともとある気持ちの向きを後押しする形で働きやすいと考えられます。音源を流す前に、その音源のテーマに合う願いを一つ、はっきりと思い出してください。
寝る前や起きた直後に聞く
心がゆるんでいる、寝る前や起きた直後の時間がおすすめです。日中に聞くなら、家事や単純な作業のBGMとして流しましょう。
小さな音量で
かすかに聞こえるくらいの小さな音量で十分です。イヤホンやヘッドホンで聞く場合は、耳を守るために、音量を上げすぎないようにしてください。寝るときは、イヤホンを外して、スピーカーから小さな音で流しましょう。
毎日続けて、記録する
1日1〜2回、まずは3週間続けてみてください。気分や行動、周りで起きた出来事の小さな変化を記録しておくと、変化に気づきやすくなります。
聞いたあとに、小さな行動を一つ
音源を聞いたあとに、願いに関わる小さな行動を一つしてください。音源で心の向きが変わり、その向きに沿って体が動く。この流れができると、音源の後押しが、現実の変化へとつながっていきます。
注意したいこと
運転中は聞かない
リラックスを促す音源は、注意力を下げることがあります。車の運転中や、機械を操作しているときは聞かないでください。
高額な効果をうたう商品には注意
「聞くだけで必ず○○になる」といった、効果を断定する高額な商品には注意してください。サブリミナル音源は、自分の意図や行動を支える道具の一つとして、無理のない範囲で楽しむのがおすすめです。
よくある質問
サブリミナルに危険はありますか
自己啓発用のサブリミナル音源を、適切な音量で聞く限り、心配しすぎる必要はありません。ただし、聞いていて気分が悪くなったときは、すぐに聞くのをやめてください。
どれくらいで効果を感じますか
人によって大きく違います。数日で気分の変化を感じる人もいれば、数週間から数ヶ月かけて少しずつ変化に気づく人もいます。焦らず、毎日の習慣として続けてください。
まとめ
サブリミナル効果は、有名なポップコーン実験こそ作り話でしたが、その後の研究で、もともとある気持ちの向きを後押しする形で働きうることがわかってきました。自己啓発用の音源については、聞く人の期待や習慣が大きな役割を果たしています。
聞く前に願いを思い出し、寝る前や起きた直後に小さな音量で聞き、聞いたあとに小さな行動を一つする。このように、自分の意図と行動と組み合わせることで、サブリミナル音源は、願いを支える心強い道具になります。
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